Project

都市型サーキュラーとOOH再生プロジェクト

リサイクルやリユース、アップサイクルなどで廃棄されるものに次のライフサイクルを提案する動きが世界的に行われています。サスティナブルという言葉が一般化され、社会全体が大量生産の時代から適量生産(必要な分をつくり余剰をなくす)の時代へと移り変わりつつあります。

素材や製品が一度でも社会を経由し役割を終えた後はゴミになるしかないのでしょうか。数が少なすぎたり、回収ルートが整っていないものが素材としてまだ使えるとわかってても、再利用の方法やリサイクルの仕方がわからないものは捨てる以外の可能性を考える時がきています。

本事業では、人々の社会経済活動によって生まれ社会を一度経由した 素材を発見し、回収、再利用する新たなアップサイクルシステムを提案しています。再生のための道筋が定められていないものは、循環の可能性の有無に関わらず廃棄している現状に対し、それらを回収、再加工することで社会に循環する素材としての新たな価値を創造し、ゼロウェイストな社会の実現を目指すための仕組みづくりを企業や自治体などと共同で進めています。また、日本が誇る技術や地域の伝統産業の技を使い再加工することで、循環する素材としての新たな価値を創造し、作り手と消費者が共に参加できる循環型社会の実現を目指します。

都市だからこそ生じる問題を解決する「都市型サーキュラー」

工場廃棄素材ではなく、社会経済活動によって生まれ、社会を一度 経由した素材を「都市型再生素材」とし、人々の経済活動によって都市や社会を経由した素材を循環させることを「都市型サーキュラー」と定義しています。人々が多く行き交う都市だからこそ生じる問題解決し、再び社会へと循環させていきます。

使用期間と耐久年数とで大きな格差がある「素材寿命ギャップ」

また都市型再生素材になり得るものの多くに、「役割の寿命」と「素材 の寿命」のギャップがあった。この「役割寿命と素材寿命のギャップ」のある社会的人工素材を発掘・回収・再加工することで、次のライフサイクルを創造していきます。私たちの目的はデザインの力で素材のネクストライフを生み出し、素材寿命を全うさせることにあります。

廃棄される OOH にかかる知的財産権の解決。

OOHには、広告主である企業のロゴなどにかかる商標権、モデルやタレントなど広告に掲載される人物にかかる肖像権、デザイナーやイラストレーター、カメラマンなどのクリエイターにかかる著作権といった権利がの問題を解決する必要があります。
そこで、OOHに発生している権利(商標権・肖像権・著作権)など知財の問題を解決するため、デザイン性を付与しながら広告に掲載されている情報を隠蔽するシークレット地紋を施しました。

シークレット地紋は、OOHに発生する知財を認知させなくするために、印刷面の上からオーバープリント(重畳印刷)するという手法です。この技術は、銀行からのDMなど個人情報がすけて見えることがないように、細かい模様が印刷されている封筒などに使われています。また、既にある技術を応用的に使用することで、導入コストが抑えられ、回収から加工までの一連のラインを確保することが可能になりました。

採用事例

下北沢の商店街広告の利活用
2024年5月15日〜6月30日

下北沢をアップサイクルの聖地に。
街路灯のフラッグは素材としての耐久はまだあるにも関わらず掲出しては廃棄が一度掲出したものは掲出期間を全うすると廃棄されるのみで再活用されることはありませんでした。これらを回収し都内で最も古着屋が集まる街のひとつでもあり、音楽や演劇などのカルチャーも盛んな下北沢の街路灯フラッグを回収し循環させることで下北沢産のアップサイクル素材を提案し、下北沢のカルチャーのひとつにしたいと考えています。

廃棄家具のリメイクプロジェクト
2024年5月24日〜5月30日530week内展示

屋外広告のターポリンにシークレット地紋を施し、廃棄された革製の椅子のカバーを再利用して張り替えるプロジェクトを行いました。パイプ椅子のリメイクプロジェクトIIISUを行っている熊谷嵐さんと共同で製作しており、環境に優しいデザインを追求しています。この取り組みにより、廃材を活用しながら、独自の美しい家具をつくりました。

まち由来の素材を循環させるLigaretta
2022年~

大丸有エリアマネジメント協会と共同し「まち由来の素材」をファッショ ンに展開するアップサイクルブランド「Ligaretta」の立ち上げ、都市の素材循環を目指す都市型サーキュラーを企画提案。 大丸有エリアで出た廃棄されゆくものを「まちの物語が沁み込んだ素材」として考え、廃棄量を減らすだけではなく、まちの物語をつなぐこともコンセプトに立ち上げたアップサイクルブランド。まちというコミュニティを起点にブランドを立ち上げるといった事例は国内外を見渡してみても事例の少ない取り組みとして提案しています。

恵比寿ガーデンプレイスXmasキャンペーン
2022年12月10日〜11日

恵比寿ガーデンプレイスの環境保全に対するごみの削減・廃棄物再資源化の取り組みの一環として、企画ディレクションを行いました。プロダクトのみならずキャンペーンビジュアル作成などトータルでサポートしました。
恵⽐寿ガーデンプレイス センター広場にてクリスマスキャンペーンとしてインスタグラムにて告知をし、サコッシュ、がま口ポーチを配布しました。

SHIBUYA SKY展示作品幕
2021年11月10日〜1週間程度

2021年11月には渋谷スクランブルスクエア13階にある渋谷スカイで開催されたTRANSIT主催の写真展で展示に使用していたターポリン幕を、廃棄することなくトラベルポーチにアップサイクルし、応募者へのプレゼントする企画にしました。素材を余すことなく利用し、新しい価値に変えた一つの事例となります。

100BANCH アート懸垂幕
2020年7月1日〜7月30日

100個のプロジェクトがうごめく実験区「100BANCH」の入口をアートの懸垂幕で大胆に彩られました。(掲載終了)掲載期間が過ぎたメッシュ素材の懸垂幕は、廃棄されることなく、人々の日常を美しく彩る「アップサイクルトートバッグ」として生まれ変わり、数量限定でふるさと納税返礼品として登場しました。持続可能な生産消費形態及び、産廃物削減の鍵は、この「プロダクト」にあります。そして、販売された収益の一部は作家に還元されます。「環境・社会・経済」3つの軸がめぐり、めぐる、Paper Paradeとヘラルボニーが目指す未来の循環型経済圏です。