Paper Parade Lab.02 Color
色上質紙だけの世界
積層が生み出す
絶妙なグラデーション
ファンシーペーパーの三要素である「色・柄・風合い」をPaper Parade Printing 独自の視点で追求し、紙の新しい可能性を拡張する実験過程とそのアウトプットを発信していくプロジェクト「Paper Parade Lab.」
第2回目は、ファンシーペーパーの色(COLOR)にフォーカス。印刷を使わずに紙の色だけで表現していく。
紙のあり方に大きな変化が起きつつある今、そのあおりを受けて出版業界の売り上げは落ちているにも関わらず、本の制作数は過去最大という現象が起きています。そのような中、紙業を営む平和紙業の“今自分たちにできることは何か”という疑問から生まれた「紙の持つ3要素(色・柄・風合い)で今までに見たことのない世界を表現してみたい」という想いを受けて、この企画はスタートしました。
第2回目は、普段は出版や印刷に縁のない人々に「紙の持つ色」を届けようというテーマ。本来紙は印刷することによって色が表現されることがほとんどですが、今回は、印刷せずに印刷のような効果が得られる表現ができるPaper Pebblesを使いました。これは、紙を積層し偶発的な要因以外に圧をかけて固めていき、素材や印刷用版を押し当てることで積層の表面に凹凸を発生させ、その表面を削り取ったもの。削り取る際は機械を使わず手加工し、個体差や湿度や気温、四季に左右される紙の伸縮などの環境要因を利用することで、印刷でもコンピューターでも表現できないグラデーションを作り出しました。